撮影現場のプロの仕事

ある日の撮影クルーディレクターはなぜ必要か

 映画監督がデッキチェアにすわってタバコをくわえているシーンをテレビなどでご覧になった方も多いと思います。では、企業ビデオを撮影するディレクターはどのような役割をするのでしょうか?

ディレクターは構成台本の要素として指定された映像をその日の撮影で撮りもらしなく撮影する全責任を負っています。また、撮影までに俳優も含めた出演者、必要な機材をすべて手配します。ディレクターはカメラマンにどのような映像が必要かを的確に説明します。そのためにカメラマンとの連携に熟練した技量を持っていなければいけません。ディレクターは出演者に構成台本に沿った演技指導をします。出演者が100%以上の演技やスピーチができるように、その場の雰囲気をリラックスさせるようにします。

無口なカメラマンはよく働く

撮影時に中心となって動くのはカメラマンです。撮影の30分以上前に機材のセッティングを始めます。ディレクターと打合せをした後、ディレクターが出演者に演技指導している時間帯はカメラマンが最も忙しく働かなければならない時間帯です。テレビ局であれば、3,4人のスタッフがいて準備を行いますが、企業ビデオで小規模な撮影の場合は、照明、録音などほとんどをカメラマン一人で行うことが多くなります。

ですから企業ビデオを撮るときはカメラマンは無口になります。ほとんどの撮影は三脚を使用して行いますが、場合によってはハンディで撮ります。このような場合でも、プロのカメラマンの場合、安定した映像を作り出します。手ブレはほとんど目立ちません。

 

ライトマン(Gaffer)のマジック

最新のビデオカメラはある程度の明るさがあれば撮影に支障をきたすことはありません。しかし、企業ビデオにはよくあるシーンですが、例えば、従業員の方たちがデスクに向かってうつむいているシーン。そうした場合、照明を補って、うつむいた顔であっても明るくクリアな映像にしたほうが印象が良いのです。

CM撮影やドラマ仕立ての場合は逆に陰影をつけることで人物の内面を表現したり、商品であれば高級感を表現できます。

ライティングはただ明るさを補助するだけのものではなく、陰影を調整し、ディレクターが欲している映像を創り出す作業です。ライトマンは非常に専門的な技術を持っていなければなりません。特にスタジオ撮影の場合はライトマンは必要不可欠の存在です。

 

 

 

4K8K時代

最近テレビを見ていると「これからは4K8K時代です」なんて随分宣伝していますね。
今から6年前、テレビ放送がアナログ標準(SD)画質からデジタルハイビジョン(HD)放送に変わりました。
弊社はその5年も前から撮影用のビデオカメラをHDに切り替えていたのですが、
当時お客様からよく言われたものです。「きれいな景色ならともかく技術紹介や業務内容紹介のビデオを
HDで撮ってどうなるんですか?SDで充分だと思うけど」
でも、それから僅か1年程で家庭用のビデオカメラも全てHDになり、TVもビデオもHDが当たり前になりました。
そして6年経った今、今度は4K8K放送が予告され、家庭用 ビデオカ メラまでも4Kがどんどん出始めています。
こうなるともはや昔撮ったSDビデオカメラの映像は「画質悪いなあ」とガッカリしてしまうのです。
ここでビデオ撮影に際して大事なポイントが見えてきます。つまり「その時代の最高の画質で撮影しておくこと」
今時HDで撮るのは当たり前、出来れば4Kで撮っておこうということなんです。
では高画質とはどんなメリットがあるのでしょうか?ちなみに4KはSDの24倍もの解像度があります。
解像度とは物がハッキリ鮮明に見えるということです。ですが解像度が高ければ良いというものでもありません。
人がその映像を見て「奇麗だなあ」と感じるのには、もうひとつ【色の再現能力が優れていること】が必要です。
例え ば市販DVDソフトでミュージシャンのLIVEビデオを見たとします。なんだか舞台照明の赤がにじんで汚く見えませんんか?
ところが同じソフトをブルーレイのHD画質で見てみると赤が全然にじんでいません。つまり断然きれいに見えます。
このようにビデオ映像というものは解像度が上がると色のにじみが少なくなるのです。4Kならばさらに色が奇麗に見えます。
また8K映像であれば更に奥行きのある立体感さえ感じられる映像を見ることが出来るのです。
というわけで、家庭用ビデオカメラ選択の大きなポイントは【その時代の最高の画質】で撮ることだと言えるのではないでしょうか。