今回のブログ記事は当社シニアクリエイターのikumi氏より寄稿してもらいました。
筋金入りの韓ドラウォッチャーであるikumi氏によるNETFLIXオリジナル『匿名の恋人たち』(日韓合作)のレビューとなっております。
是非お楽しみください。
多国籍の俳優さんやスタッフがコラボするドラマが増えて、現場はさぞや楽しかろうと思う。視聴者からの高評価もそのような企画を後押ししている。
今回は日本を舞台にした日韓合作ドラマ『匿名の恋人たち』を取り上げます。
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イ・ハナ(ハン・ヒョジュ)と藤原壮亮(小栗旬)のラブストーリーはチョコレート色だ。
「人に言えない事情」というものを抱えたふたりのビターな人生が、唯一心許せる相手と出会い、いつしか互いの人生をスィートなものに変えてゆく。
誰しもが困った事情、人に言えない事情を抱えて日々をなんとか生きている。ラブストーリーは、そういう人々へのチョコレートのように甘く優しい贈り物だ。男女の出会いのストーリーを追うだけでは私たちは心から楽しめない。韓ドラお決まりのシーンにクスリと笑いながらも、傷つきやすく弱さを持つ人間を描いてこそ引き込まれる。
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映像が美しい。ハナが自転車で乗り付けるチョコレート店の建物、店内の厨房、一人暮らしをするアパートのハナの清潔な部屋。そんなセットやロケーションにハナがスッと立つ姿が美しい。
ハン・ヒョジュさんは「ムービング」や「支配種」でもそうだったように、輝きを消したように演じていても清廉な光の輪の中にいるような、そんな魅力を持った女優さんだ。
相手役の小栗旬さん演じる壮亮はハナに想いを抱きながらもなかなか言い出せない男だ。彼の通う精神科の患者たちとのシーンが実に楽しい。小栗旬さんのこのシーンのセリフの間や表情がとても良い。
この主役二人のカップルに加えて美男美女のサブカップルが登場し、絡み合う関係性も日韓のエッセンスを融合させた楽しい展開になっている。
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私は眠れない時、よくラブストーリーのとあるシーンを見てしまう。
それはいつも決まって、男が暗い夜に家の前の橋の上で来ない女を想いながら、コンビニで買ったおにぎりを一人ボソボソと食べているというシーンだ。
イケメンは純情でいてこそキュンとさせられるものだ。
