「ホームビデオ講座」カテゴリーアーカイブ

水平をとる

前回のビデオテープの保管法はお役に立てたでしょうか?

ウエナカでも、お客様の原版はこのような形でお預りしています。最近ではビデオテープからDVDやCDにツールを換えて作り直すお客様のご希望も多くなりましたので、原版保管は今後も大切なキーワードです。

さて、今回は再び、撮影のテクニックに戻ることになります。

質問「広い体育館でダンスを踊るグループを斜め前方から全員を画面に入れて撮りました。後で再生してみたら、全体に斜めに傾いて映っています。自分では水平を取ったつもりでしたが、実際はかしいでしまいました。「水平を取る」コツがあるのでしょうか?

HIGE「一般的には水平を取ると言いますが、言葉のイメージから来るせいでしょうか、横のラインに注意がゆきがちですね。でも、水平を取る際に最も注目しなければいけないのは、タテのラインです。画面の中には、垂直でなければおかしいものというのが必ずあります。

例えば、窓のタテの桟であったり、電柱であったり、ポールであったり、木であったりと、探してみますと必ずあります。それらが垂直に立っているかをチェックしてみましょう。そうです、必ずあるんですね。それが、水平をとるコツ、おわかりいただけましたか?

色を飛ばさないために

正月になると、山田洋次監督の寅さんシリーズを観に行っていました。それが出来なくなって、正月が少しさびしくなりました。

シリーズの何本かはどなたもご覧になっているかと思います。寅さんはいつも旅をしておりますから、地方の列車の向かい合わせになった箱席に寅さんがすわって、むかいに座った人物となにかしらかかわりができるというおなじみのシチュエーションです。さて、その時、車窓の景色はどんなふうであったか。窓の外には、その土地柄を映し出す景色があり、手前には、四角い寅さんの顔が大きく映し出されていました。

何気ないシーンでありますが、ここには撮影の高度なテクニックが使われているのです。

質問「友人の結婚式のビデオ撮影をすることになりました。我ながら、うまく撮れたなとよろこんでいたら、披露宴の最後に新郎新婦が金屏風の前で、列席してくださったお客様にお礼のお見送りをするシーンにきて、愕然。新郎新婦の顔が真っ黒になっていました。新しい門出に光り輝くべき顔がこれでは・・・一体何が起きたのでしょうか?」

HIGE「ビデオカメラをオートモードで撮ると、露出は中間値が選択されます。そのため、後ろにある金屏風と手前の男女の中間の露出を選択し、結果的に、金屏風は白っぽく色が飛んでしまい、手前の男女は顔が真っ黒に映ってしまうのです。

これを防ぐ方法は、まず、オートで新郎新婦の足元を撮ります。

その時点で、マニュアルに切り替えます。そして、露出を固定します。その後で、新郎新婦の顔を撮りますと、二人の顔はその未来のように、くっきりと輝くように撮れます。

そして、後ろの金屏風もやや白っぽくはありますが、金色に撮れるはずです。

冒頭の寅さんの車窓のシーン、普通のビデオカメラで撮った場合、後ろの景色は真っ白になるはずです。映画は、フィルムですが、普通に撮ったのでは、やはり、景色は見えません。あの時窓にはサングラスのようなフィルターが二重に貼られていたはずです。

ビデオカメラを撮る時は、揺れ、水平、そして、今回の露出。これが三大要素なのです。

 

 

Higeの薦めるビデオカメラ

最近身近で赤ちゃんの誕生が続きました。赤ちゃんの泣き声や笑い声はまわりだけでなく、日本中をを元気にしてくれるような気がします。

そのお父さんの中のお一人から、こんなご相談のメールがありました。

質問「娘の可愛い様子を見ていたら、いよいよビデオカメラを買わねばと思えてきました。しかし、あまりの種類の多さに、選択に迷います。機種選定にあたって、良いアドバイスを。」

 

HIGE「ズバリ、SDカードにAVCHD記録するタイプのカメラでしょう。カメラ本体のHDDに記録するタイプやSDカードとの併用タイプもありますが、撮ったビデオを他の人とやり取りしたり保管したりする場合にはSDカードが一番便利でしょう。選択のポイントは、カメラメーカーの製品か電気メーカーの製品かの違いです。カメラメーカーはレンズに強く、電気メーカーは撮像素子(人の目の網膜に相当)に強いのが特徴です。ちなみにウエナカが使う放送局仕様のカメラは電気メーカー製です。またプロの使うカメラの特徴は撮像素子が大きいことです。TV局の取材カメラで2/3インチあります。家庭用のカメラの多くは1/6インチで面積にすると四分の一です。撮像素子の面積が小さいと、全てにピントのあった、平板な画になりがちです。最近は、カメラで一番コストの掛かる撮像素子部分を小さくする傾向があります。でも撮像素子が大きいとカメラの表現力が大きくなります。具体的には一眼レフのカメラのように美しく背景をぼかしたりできる訳です。デジタル一眼でビデオ撮影するのが流行っているのはこの為です。でも元々が写真機ですから動画撮影には持ちにくく、また音の収録部分のクオリティが軽視されている傾向があります。ウエナカでは最近、撮像素子が従来の2/3インチの4倍以上あるデジタルシネカメラを導入しました。この撮像素子の大きさは劇場映画のフィルムの大きさに匹敵するもので美しい映像表現がおこなえます。カメラを選ぶときには撮像素子のサイズを比較してみることも大事な選択ポイントですね。

 

ブレを防ぐ

今回より,ホームビデオのちょっとしたヒントをお知らせするページを作りましたのでご参考にしていただければ、うれしいです。

最近では軽量の家庭用ビデオカメラがたくさん出回っています。女性や子供でも気軽にビデオを撮ることができます。 ご家庭の行事の撮影のときに参考にしていただければ幸いです。

ところで、先日NHKのプロジェクトXで、南極越冬隊をとりあげていました。食料の無くなった隊員たちを救うために、氷に阻まれた宗谷からセスナ機が飛び立つシーンがありましたね。あれは、16ミリカメラで撮った映像だとおもいますが、貴重な映像を撮った人は、同行のカメラマンだったのか、隊員だったのか。

40年前の男たちの勇気を伝えた泣けるシーンでした。(実は、スタッフWは毎回泣いております。)記録というのは後になって、あのように編集され、よみがえるものなのですね。

貴重なシーンでたまたまカメラマンがいなければ、そのときはあなたがカメラマンです。

質問「ビデオを撮るときに、いつもぶれてしまうのですが、防ぐ方法はありますか?」

HIGE「初心者の方は、ビデオカメラをかまえた後に、前後左右に動かしてしまいがちですよね。まず、ビデオを撮るときは、写真機のシャッターを切る時と同じ気持ちになってください。写真機のシャッターは構えたら、できるだけ揺れないように、動かさないようにきをつけますよね。ビデオカメラも実は同じなのです。 その場合、三脚を使うのがベストですが、三脚は重いので使いたがらない人が多いのです。

そこで、一脚というのをおすすめします。文字通り足が1本の伸縮するものです。
折りたたみ式のつり竿のような形状をしています。そして、その上にビデオカメラをのせて、手でささえながら撮ります。価格は3,000円から5,000円位だと思います。

それから、ワイドコンバータレンズを取り付けることもよいでしょう。このレンズは、いわゆる広角レンズといわれるものです。これを取り付けると、揺れが、あまり目立たなくなります。

家庭向けのビデオカメラ用なら、10,000円位です。